夏の終わりから秋の入り口に気を付けること

2016/08/30 15:25:47

テーマ: 話題のテーマ

むくみ

<過剰な水分摂取は不健康>

 

温暖化の影響からか、毎年夏の暑さが増しているように感じます。

 

テレビの健康番組では水分補給の大切さを放送していますし、皆様も脱水症状にならないよう意識して水分補給をこまめにされていると思います。

 

しかし、実は夏の間に水分を取りすぎている人が多いのです。

 

これを言われるとドキッとする方もいるかもしれません。

 

たくさん水分を摂っていながら、ほとんど動かない生活の方は水分を取りすぎている可能性が高いです。

 

外は暑いですが、室内はクーラーが効いており、体は冷えています。

 

そして、運動不足や湯船には浸からずシャワーで済ますという生活が重なり、汗をかかない毎日になっている方も多いはずです。

 

このような生活スタイルが余計な水を体に溜めてしまう原因になるのです。

 

日本は海に囲まれ、もともと湿度が高い国なので身体から水分が抜けにくい環境にあります。

 

たくさん水を飲み、汗をかかない生活をすれば当然体にドンドン水が溜まっていきます。

 

東洋医学では気・血・水の巡りを大切にしており、体に余計な水が溜まった状態は水毒と呼ばれます。

 

これが原因で「むくみ」はもちろんのこと、「めまいや頭痛」といった不調も現れてきます。

 

水毒の状態では体で使えるキレイな水がありませんので、体は新しい水を欲しがります。

 

水毒の人は体に余計な水があるにも関わらず、のどが渇くのです。

 

鋭い方はお気づきかもしれませんが、これは悪循環です。

 

飲めば飲むほど水毒が悪化します。

 

水毒はうまく漢方薬を使えば比較的早く解決できますので、夏に水分をたくさん摂ってしまった方は水抜きをしましょう。

 

漢方で有名な水毒対策の処方は「五苓散(ごれいさん)」です。

 

生薬の構成は桂枝(けいし)、朮(じゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)の五つです。なので名前も五苓散です。

 

桂枝(けいし)は皆様もよく知っている名前としてはシナモンです。これは皮膚表面の血流をよくすることで皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)を助けてくれます。

 

初めて聞くという方もいるかもしれませんので説明しますが、知っている方は読み飛ばしていただいて結構です。

 

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<こもった熱が病(やまい)を生む:皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)の話>

 

皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)とは一言でいうと人間の体内で作られた代謝熱を外に逃がす方法です。

 

私たちは食べ物からエネルギーを作り出し生命活動を行っています。これに疑問を持つ方はいないはずです。

 

皆様が普段意識していないのは、その生命活動で発生したエネルギーをどのように排泄しているかです。

 

皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)は体の表面から水を蒸発させることでその気化熱を利用して排熱しており、排熱全体の1/2~2/3がこれに依存しています。

 

激しいスポーツをしたことがある方は想像できると思いますが、寒い冬でも体を激しく動かした後は体中から湯気が上がっています。

 

あれが低レベルで常に起こっているイメージです。日常生活での皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)は見えない分、普段から意識している人はほとんどいません。

 

ほかにも、ガラスに手を当てると曇るのをイメージしてもらえれば、常に蒸気がでているなとわかってもらえると思います。

 

この皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)が滞ると、体の中でオーバーヒートしてしまい、様々な臓器が炎症を起こします。

 

人の体は皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)がうまくいかないと、ほかの方法で排熱し始めます。

 

熱が肺に行けば咳、膀胱に行けば膀胱炎となり、熱い尿がでます。女性の不正出血なども皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)が働かないために排熱手段として起こると考えられています。

 

クーラーで体表を冷やすとどうして体調を崩すのかご理解いただけたでしょうか?

 

室内にいても熱中症になるのは体の中からのオーバーヒート、皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)の機能が失われることによります。

 

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<五苓散は即効性>

 

シナモンは血流を良くして適切な水と熱を体表に運ぶため、皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)を助けてくれます。

 

五苓散には朮(じゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)が含まれていますが、これは体の組織や消化管の余分な水分を血中に戻してくれる働きをします。

 

運龍堂では白朮(びゃくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)の二つの朮のうち、利水効果の高いといわれる蒼朮(そうじゅつ)を構成にもつ五苓散を使用しています。

 

五苓散などを使って夏の間に摂りすぎた余計な水分をうまく体の外に排泄して、すっきりさせてしまえばまだいいですが、これを放置して本格的な秋になってしまうと大変です。

 

溜まった水が秋の寒さに冷やされ、体に悪さをし始めます。

 

逆に、夏の終わりに余計な水を除いておけば秋の寒い時期になっても体調を崩さずに済みます。

 

五苓散のポイントとしては即効性です。

 

漢方の方剤(生薬の組み合わせ)は少ない生薬ほど効き方が鋭く、早いとされています。五苓散は五つの生薬から成り、比較的早い効き方をします。

 

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<体表を冷やさない、汗をかく習慣を心がけましょう>

 

夏の養生法の一つに一日に一回は汗をかくことが大切とされています。

 

これは皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)を働かせ、体から余計な水と代謝熱を除くために必要不可欠です。

 

運動していない人は血流も悪くなっていますから、運動してください。歩くだけでも構いませんし、エレベーターではなくて階段の上り下りを意識しましょう。

 

また、夏でも湯船につかってしっかり汗をかく。これも冷えた体を温めるうえでも重要です。

 

養生としては食べ物も関わってきますが、皮膚蒸泄(ひふじょうせつ)の観点からいえば香辛料を意識して取るようにしましょう。

 

スパイシーな食べ物で汗をかいて健康的な体作りをしましょう。(香辛料は腸の中の食べ物の腐敗も防いでくれます。)

 

五臓と五味のお話もしたいところですが、今日はこの辺で。

 

「寒くなる前に水抜きをしましょう。汗をかく生活習慣を身につけましょう」

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

運龍堂 山本博之

 

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