補陽還五湯(ホヨウカンゴトウ)

2013/05/21 5:18:08

テーマ: 方剤

補陽還五湯(ホヨウカンゴトウ)

※構成
黄耆(おうぎ):マメ科、補虚薬 ? 補気薬/微温
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 ? 補血薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 ? 補血薬/微寒
川?(せんきゅう):セリ科、活血化?薬 ?活血止痛薬/温
紅花(こうか):キク科、活血化?薬 ?活血調経薬/温
桃仁(とうにん):バラ科、活血化?薬 ?活血調経薬/平(小毒)
地竜(じりゅう):フトミミズ科、平肝熄風薬 ? 熄風鎮痙薬/寒

※生薬の解説
・黄耆は、皮膚に水毒がたまるような異常に使用するが、同時に元気を補ったり、免疫力をつけたりする作用がある。また陽を助ける役目をし、衛気を実し、表を固める。
・当帰と川?には、皮膚、筋肉、関節、骨、神経などを温める作用があり、皮膚、四肢末梢の血行を促進して冷え性を治す。また動脈の血流を良くして、?血(注1)を除く作用を助ける。当帰は主に四肢、下半身の血流を良くして冷え性を治す。川?は主に上半身の血流を良くして頭痛を治す。
・芍薬には、筋肉の異常緊張を和らげる作用がある。また血液成分の中の水分を利水する。
・桃仁と紅花は血の滞りを除く。また浄血作用もあって、芍薬とともに血行を良くする。
・地竜は、筋肉、骨、関節などの疼痛、麻痺、痙攣を除く。

(注1)?血(おけつ)は、血液の流れが、何らかの原因で滞ってしまった状態である。?血によって、皮膚の黒ずみ、シミ、肩こり、しこり、頭痛や生理痛などの痛みなどの症状が現れる。

補陽還五湯は、全身の陽気の総量を10(右半身:5、左半身:5)とした時、脳卒中などで半身不随になり片側が0になり、動けくなってしまった状態を5まで戻す(還五)という意味で名付けられた。

※使用目標例
・脳卒中による半身不随などの後遺症に用いる。脳卒中には、血管が詰まることによる脳梗塞と出血による脳出血があるが、補陽還五湯は、脳梗塞で血流が悪くなり、その先に栄養が行かなくなる病態に良い。

・脳血管障害の他にも、気虚?血を目標に用いる。高齢者や長期慢性病患者、術後で衰弱している患者で血流障害が認められる者に用いる。